伝道者の書 10:1~11
10:1 死んだハエは、調香師の香油を臭くし、腐らせる。少しの愚かさは、知恵や栄誉よりも重い。
10:2 知恵のある者の心は右を向き、愚かな者の心は左を向く。
10:3 愚か者は、道を行くときにも思慮に欠け、自分が愚かであることを、皆に言いふらす。
10:4 支配者があなたに向かって立腹しても、あなたはその場を離れてはならない。冷静でいれば、大きな罪は離れて行くから。
10:5 私は、日の下に一つの悪があるのを見た。それは、権力者から出る過失のようなもの。
10:6 愚か者が非常に高い位につけられ、富む者が低い席に座しているのを、
10:7 また、奴隷たちが馬に乗り、君主たちが奴隷のように地を歩くのを、私は見た。
10:8 穴を掘る者は自らそこに落ち、石垣を崩す者は蛇にかまれる。
10:9 石を切り出す者は石で傷つき、木を割る者は木で危険にさらされる。
10:10 斧が鈍くなったときは、刃を研がないならば、もっと力がいる。しかし、知恵は人を成功させるのに益になる。
10:11 もし蛇がまじないにかからず、かみつくならば、それは蛇使いに何の益にもならない。