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出エジプト記 4章 24~31
4:24 さて、途中、一夜を明かす場所でのことだった。主はモーセに会い、彼を殺そうとされた。
4:25 そのとき、ツィポラは火打石を取って、自分の息子の包皮を切り取り、モーセの両足に付けて言った。「まことに、あなたは私には血の花婿です。」
4:26 すると、主はモーセを放された。彼女はそのとき、割礼のゆえに「血の花婿」と言ったのである。
4:27 さて、主はアロンに言われた。「荒野に行って、モーセに会え。」彼は行って、神の山でモーセに会い、口づけした。
4:28 モーセは、自分を遣わすときに主が語られたことばのすべてと、彼に命じられたしるしのすべてを、アロンに告げた。
4:29 それからモーセとアロンは行って、イスラエルの子らの長老たちをみな集めた。
4:30 アロンは、主がモーセに語られたことばをみな語り、民の目の前でしるしを行った。
4:31 民は信じた。彼らは、主がイスラエルの子らを顧み、その苦しみをご覧になったことを聞き、ひざまずいて礼拝した。

 

「一夜を明かす場所でのことだった。主はモーセに会い、彼を殺そうとされた24」神様は突然モーセを殺そうとされましたが、その理由が何かについては説明がありません。モーセが死の危機をあうと、ツィポラは慌て「火打石を取って、自分の息子の包皮を切り取り、モーセの両足に付けて言った。まことに、あなたは私には血の花婿です。25」といいます。ツィポラが息子の包皮を切り取ったのは、割礼を行ったということであって、割礼というのは、つまりヘブル人のアイデンティティをいいます。

 

ですから、モーセが突然死の危機に置かれ、その時にツィポラが息子に割礼を行ったというのは、ヘブライ人のアイデンティティの問題をめぐって夫婦の間に葛藤があったということです。それまで、モーセが息子たちに割礼を行わなかったこと、そしてエジプトへの道でツィポラがあわてて息子の割礼を行ったのは、神様がモーセの家族に命じた使命にふさわしい一致したアイデンティティを求めておられるのです。

 

ツィポラは夫に付いてエジプトに向かっていますが、自分と子どもたちが安全の確保もないエジプトに行かなければならない理由が分かっていません。モーセが夫ということ以外にはツィポラにおいてエジプトもイスラエルも何の関係もないからです。この問題で葛藤している途中、神様がモーセを死の危機に攻め、それに気づいたツィポラが取り急ぎ、息子に割礼を行ったということです。そして告白します。「まことに、あなたは私には血の花婿です。」すなわち私の夫は、割礼を受けたヘブライ人であり、私は彼の妻であり、私の息子も、ヘブライ人でありますという告白です。すると、モーセは死の危機から抜け出されました。

 

これをもってモーセ家はモーセのアイデンティティと使命の中で一つに一致され、ツィポラは、神様を経験するようになります。家庭の構成員が同じアイデンティティと方向を共有するということは与えられた使命のための先決課題です。モーセの妻は、ヘブライ人ではなく、ミデヤン出身ですから、最初からアイデンティティが一致していたわけではありません。しかし、神様はモーセの従順を通して家庭の一致を成し遂げられます。これは自然にできることでもなく、人の力でできることでもありません。先に信仰が起きあがり、聞き従い、身をささげるとき、神様によって周りは一つに一致されていきます。