エステル 黙想8【エステルとモルデカイの責任】220620(月) 枝川愛の教会
エステル 8:1~108:1 その日、クセルクセス王は王妃エステルに、ユダヤ人を迫害する者ハマンの家を与えた。モルデカイは王の前に来た。エステルが自分と彼との関係を明かしたからである。8:2 王はハマンから取り返した自分の指輪を外して、それをモルデカイに与え、エステルはモルデカイにハマンの家の管理を任せた。8:3 エステルは再び王に告げて、その足もとにひれ伏し、アガグ人ハマンがユダヤ人に対して企んだ、わざわいとその計略を取り除いていただきたいと、泣きながら嘆願した。8:4 王がエステルに金の笏を差し伸ばしたので、エステルは身を起こし、王の前に立って、8:5 言った。「もしも王様がよろしければ、また私が王様のご好意を受けることができ、このことを王様がもっともだとお思いになり、私のことがお気に召すなら、アガグ人ハメダタの子ハマンが、王のすべての州にいるユダヤ人を滅ぼしてしまえと書いた、あのたくらみの書簡を取り消すように、詔書を出してください。8:6 どうして私は、自分の民族に降りかかるわざわいを見て我慢していられるでしょう。また、どうして、私の同族が滅びるのを見て我慢していられるでしょう。」8:7 クセルクセス王は、王妃エステルとユダヤ人モルデカイに言った。「見よ。ハマンの家を私はエステルに与え、彼は柱にかけられた。ハマンがユダヤ人たちに手を下そうとしたからである。8:8 あなたがたは、ユダヤ人についてあなたがたのよいと思うように王の名で書き、王の指輪でそれに印を押しなさい。王の名で書かれ、王の指輪で印が押された文書は、だれも取り消すことができない。」8:9 そのとき、王の書記官たちが召集された。それは第三の月、すなわちシワンの月の二十三日であった。そして、すべてモルデカイが命じたとおりに、ユダヤ人と、太守、総督たち、およびインドからクシュまで百二十七州の首長たちに、詔書が書き送られた。各州にその文字で、各民族にはその言語で、ユダヤ人にはその文字と言語で書き送られた。8:10 モルデカイはクセルクセス王の名で書き、王の指輪でそれに印を押し、その書簡を、御用馬の早馬に乗る急使に託して送った。 2回目の宴会で、エステルは王にハマンの残酷な虐殺の計略を告発します。それに怒った王はハマンがモルデカイを殺そうとした木にハマンをつけて殺してしまいます。頂上まで高ぶったハマンは、その頂につけられて死にました。権力の頂点で折れて死んだのです。他人を殺そうとした日に自分が殺されました。ユダヤ民族を虐殺しようとした日に、自分の家族が沒殺されました。世が自分のものだと思った時、世から去りました。確かに持っている力がありますが、それに恐れず、振り回す人は結局その力に裏切られ、自分が自分を殺すことになります。 ハマンは死にましたが、まだ王の命令は生きています。通信が遅い時代に広大な帝国ですからまだユダヤ人の虐殺の準備が進められています。エステルは王に急いで王命を収めるようにお願いしました。王はモルデカイに命令から施行までの全権を委任し,ユダヤ人の虐殺を中止させます。モルデカイは、敏捷な行政力をもってインドからエジオピアまでの帝国のすべての地域の言語の命令を下し、最速の駿馬を走らせます。 高慢な人には心の敏捷がありません。ハマンは心が鈍い人です。自分の欲心のために策を弄し、結局自分の墓穴を掘りました。エステルとモルデカイは状況の危機を知り、それに敏捷に対処する力が素晴らしいです。責任を負わない社会は必ず退職します。責任というのは、仕事を引き受けなければならないという受け身のことではありません。仕事をこなそうとする積極性、能動的な人が持つ力です。責任ある人の働きは人を生かすこと、滅亡から救いを引き出すことです。エステルとモルデカイは死ぬ運命のユダヤ人を救う責任を持ってそれを果たしています。救いが成し遂げられるまで俊敏な心を持ち、責任を果たす人でありたいです。