Ⅱサムエル 黙想20【ツィバとシムイ】20230509(火) 枝川愛の教会Ⅱサムエル 16章 1~14
Ⅱサムエル16:1~1416:1 ダビデは山の頂から少し下った。見ると、メフィボシェテのしもべツィバが王を迎えに来ていた。彼は、鞍を置いた一くびきのろばに、パン二百個、干しぶどう百房、夏の果物百個、ぶどう酒一袋を載せていた。16:2 王はツィバに言った。「これらは何のためか。」ツィバは言った。「二頭のろばは王の家族がお乗りになるため、パンと夏の果物は若者たちが食べるため、ぶどう酒は荒野で疲れた者が飲むためです。」16:3 王は言った。「あなたの主人の息子はどこにいるのか。」ツィバは王に言った。「今、エルサレムにとどまっております。あの方は、『今日、イスラエルの家は、父の王国を私に返してくれる』と言っておりました。」16:4 王はツィバに言った。「見よ、メフィボシェテのものはみな、あなたのものだ。」ツィバは言った。「王様。あなた様のご好意をいただくことができますように、伏してお願いいたします。」16:5 ダビデ王がバフリムまで来ると、見よ、サウルの家の一族の一人が、そこから出て来た。その名はゲラの子シムイで、盛んに呪いのことばを吐きながら出て来た。16:6 彼は、ダビデとダビデ王のすべての家来たちに向かって石を投げつけた。兵たちと勇士たちはみな、王の右左にいた。16:7 シムイは呪ってこう言った。「出て行け、出て行け。血まみれの男、よこしまな者よ。16:8 主がサウルの家のすべての血に報いたのだ。サウルに代わって王となったおまえに対して。主は息子アブサロムの手に王位を渡した。今、おまえはわざわいにあうのだ。おまえは血まみれの男なのだから。」16:9 ツェルヤの子アビシャイが王に言った。「この死んだ犬めが、わが主君である王を呪ってよいものでしょうか。行って、あの首をはねさせてください。」16:10 王は言った。「ツェルヤの息子たちよ。これは私のことで、あなたがたに何の関わりがあるのか。彼が呪うのは、主が彼に『ダビデを呪え』と言われたからだ。だれが彼に『おまえは、どうしてこういうことをするのだ』と言えるだろうか。」16:11 ダビデはアビシャイと彼のすべての家来たちに言った。「見よ。私の身から出た私の息子さえ、私のいのちを狙っている。今、このベニヤミン人としては、なおさらのことだ。放っておきなさい。彼に呪わせなさい。主が彼に命じられたのだから。16:12 おそらく、主は私の心をご覧になるだろう。そして主は今日の彼の呪いに代えて、私に良いことをもって報いてくださるだろう。」16:13 ダビデとその部下たちは道を進んで行った。シムイは、山の中腹をダビデと並行して歩きながら、呪ったり、石を投げたり、土のちりをかけたりしていた。16:14 王も、王とともに行った兵もみな、疲れたのでそこで一息ついた。 避難の途にメフィボシェテのしもべツィバが贈り物を持ってダビデを迎えます。しかし、ツィバはダビデに自分の主人メフィボシェテを謀略してメフィボシェテの財産を奪い取ります。刻々裏切りが起こる反逆の時代です。ダビデは見分けがつかず、急いて判断してツィバにだまされたのです。 それからはシムイという人が現れます。狡猾なツィバとは異なり、シムイはダビデに呪いをかけます。ツィバもシムイも皆、サウル時代の人です。ダビデ政権に対して政治的な恨みを持っている人々です。シムイが軍隊を持っているわけでもないので、ダビデが怒るとその場で死ぬこともあります。しかし、彼はダビデに呪いをかけ、恨みを爆発させました。ダビデは忘れていましたが、実は敵が多く、恨みも多かったです。 ダビデの軍長アビシャイが激怒してシムイを殺そうとしますが、ダビデが引き止めます。自分が産んだ息子アブサロムさえ父親である自分を殺そうとしているのに恨みを抱いたシムイが自分を呪うのは当然ではないかということでシムイの呪いを受け入れます。ダビデはシムイの呪いを彼を通した神様の呪いだと思います。不倫の欲におぼれて忠臣ウリヤを殺したダビデを考えると、大きく変わりました。その間に器はもっと広くなったようです。ダビデはまだ持ったことのない観点から世と人を見ているようです。