10月 箴言黙想 【矢が肝を射抜く】20231012(木) 枝川愛の教会 趙鏞吉 牧師

箴言 7:1~27
7:1 わが子よ。私のことばを守り、私の命令をあなたのうちに蓄えよ。
7:2 私の命令を守って生きよ。私の教えを、自分の瞳のように守れ。
7:3 それを自分の指に結び、心の板に書き記せ。
7:4 知恵に向かって「あなたは妹だ」と言い、英知に向かって「身内」と呼べ。
7:5 自分をよその女から守り、ことばの滑らかな、見知らぬ女から守るために。
7:6 私が家の窓から、格子窓から見下ろして、
7:7 浅はかな者たちを見ていると、若者たちのうちに、良識のない一人の若い者がいるのに気づいた。
7:8 彼は、女の家への曲がり角近くの街路を通って、その家に至る道を進んで行った。
7:9 それは、たそがれの、日の沈むころ、夜と暗闇の始まるころだった。
7:10 すると、遊女の装いをして、本心を隠したある女が彼を迎えた。
7:11 この女は騒がしく、頑なで、その足は自分の家にとどまらず、
7:12 あるときは通りに、あるときは広場にいて、あちこちの角のところで待ち構えていた。
7:13 この女は彼を捕まえて口づけし、臆面もなく彼に言う。
7:14 「交わりのいけにえを献げなければならないので、私は今日、自分の誓願を果たしました。
7:15 それで私はあなたに会いに出て来ました。あなたを捜し求めて、やっと見つけました。
7:16 私は長椅子に敷き物を、あや織りのエジプトの亜麻布を敷き、
7:17 寝床を没薬、アロエ、シナモンで香らせました。
7:18 さあ、私たちは朝まで愛に酔いしれ、愛の喜びを互いに味わいましょう。
7:19 夫は遠くへ旅に出ていて、家にはいませんから。
7:20 金の袋を持って行きました。満月のころに帰って来るでしょう」と。
7:21 彼女は心動かすことばで彼を誘惑し、滑らかな唇で彼をいざなう。
7:22 彼はただちに、彼女の後について行く。牛が屠り場に引かれて行くように、足かせが愚か者を懲らしめているかのように。
7:23 最後は矢が彼の肝を射抜く。それは、自分のいのちがかかっているのを知らずに、鳥が罠に飛び込むようなものだ。
7:24 子たちよ。今、私に聞き従い、注意して私の口のことばを聞け。
7:25 彼女の道に、心がそれて行ってはならない。その通り道に迷い込んではならない。
7:26 この女は多くの者を切り倒し、殺された者は数えきれない。
7:27 その女の家はよみへの道。死の部屋に下って行く。

聖書を書いた記者がどんなコンテキストの中で聖書を記録したのかを確認するために当時の言語を勉強したり、歴史的背景を勉強したりもします。それは言語学や考古学を勉強するためのものではなく、聖書本文と現在の接点をとるためのものです。著者の記録と編集意図を確認し、その向こうにある聖書の著者である聖霊が私たちに語る意図を知るためのものです。そのような作業の中で共感と交感が生じ、その時、聖書を通して与えられる御言葉が聞こえます。

私たちは「リビング・ライフ」というQT教材の本文に沿って朝の黙想をしています。毎日のQTをしていると、8-9年に一読できるそうです。各自の期待寿命から現在の年齢を除いてみれば、残りの間に神様の御言葉をどれだけ読んで考えることができるのか、その答えが出てきます。一読といっても黙想までする一読なので、毎日のQTはとても大切な信仰生活の一部です。もちろん、QT本文を解説したり、誰かが黙想したものを読むだけではQTとは言えません。自分の言語と人格が介入しなければ、QTはまだ始まっていません。

10月初は、箴言の前半部、父の訓戒について読みました。主に性倫理からの逸脱、不倫に対する厳格な警戒が繰り返し出てきました。自分を管理できることが知恵です。記録と編集の意図と言えば、QT教材編成者にも意図があることに気づきます。老婆心旺盛なQT編成者は、心がさまよい、揺れやすい季節に、御言葉によって覚醒するように箴言をは挟みました。虚しさ、寂しさに陥る人に、神様の御言葉を読むことをおすすめしていているのです。

誰においても性というのには脆弱です。隠されたところは歪曲されやすいからです。だから誰も自信満々にはなりません。生物学的に男性の性的欲求と機能は10代半ばから20代前半が最も旺盛だそうです。しかし、青少年の性犯罪より中年以降の性的逸脱の方が多いです。力はないのに執着ばかりするのです。大人たちは最近の若者を心配しますが、いざ心配事は若者ではなく、大人たちです。

不倫の動因は性欲ではなく慰めです。慰められたいからさまよっているのです。しかし、残念ながらそれでは慰められません。本文をそのまま引用した方が一番いいです。「彼はただちに、彼女の後について行く。牛が屠り場に引かれて行くように、足かせが愚か者を懲らしめているかのように。最後は矢が彼の肝を射抜く。それは、自分のいのちがかかっているのを知らずに、鳥が罠に飛び込むようなものだ。…その女の家はよみへの道。死の部屋に下って行く。7:22、23、27」慰められるのはただ一つです。御言葉の共同体、家族の共同体に与えられた責任を守っていく時に慰めも与えられます。