Ⅰサムエル 黙想11【王を求めるイスラエル】230206(月) 枝川愛の教会
Ⅰサムエル 8:10~228:10 サムエルは、自分に王を求めるこの民に対して、主のすべてのことばを話した。8:11 彼は言った。「あなたがたを治める王の権利はこうだ。あなたがたの息子たちを取り、戦車や軍馬に乗せ、自分の戦車の前を走らせる。8:12 また、自分のために千人隊の長や五十人隊の長として任命し、自分の耕地を耕させ、自分の刈り入れに従事させ、武具や戦車の部品を作らせる。8:13 また、あなたがたの娘たちを取り、香料を作る者や料理する者やパンを焼く者とする。8:14 あなたがたの畑やぶどう畑や良いオリーブ畑を没収し、自分の家来たちに与える。8:15 あなたがたの穀物とぶどう畑の十分の一を取り、廷臣や家来たちに与える。8:16 あなたがたの奴隷や女奴隷、それにあなたがたの子牛やろばの最も良いものを取り、自分の仕事をさせる。8:17 あなたがたの羊の群れの十分の一を取り、あなたがた自身は王の奴隷となる。8:18 その日、あなたがたが自分たちのために選んだ王のゆえに泣き叫んでも、その日、主はあなたがたに答えはしない。」8:19 しかし民は拒んで、サムエルの言うことを聞こうとしなかった。そして言った。「いや。どうしても、私たちの上には王が必要です。8:20 そうすれば私たちもまた、ほかのすべての国民のようになり、王が私たちをさばき、私たちの先に立って出陣し、私たちの戦いを戦ってくれるでしょう。」8:21 サムエルは、民のすべてのことばを聞いて、それを主の耳に入れた。8:22 主はサムエルに言われた。「彼らの言うことを聞き、彼らのために王を立てよ。」それで、サムエルはイスラエルの人々に「それぞれ自分の町に帰りなさい」と言った。 ミツパの悔い改めと改革により、イスラエルはペリシテに勝ち、さらに二頭の雌牛が出発したエクロンを含んだイスラエルの領土を回復しました。サムエルはそれを記念してその地をエベン・エゼルと名づけ、サムエルがイスラエルを治めている間、イスラエルは平和に栄えました。 サムエルの息子たちは父親に従って士師となりましたが、彼らは父親のサムエルとは違い、賄賂を受け取って判決を売買するよな腐敗した人物でした。それによってサムエルの信頼にもひびが入り、イスラエルの中では士師が治めることに対する懐疑が起きます。 民はサムエルに師事ではなくイスラエルに王を立ててくださることを求めました。 イスラエルが隣国に苦しむのは勇敢でかつ強力な王がいないからだと思ったからです。サムエルが祈ったところ、神様は彼らの要求どおり王を立ててあげるように言われました。しかし、それが神様の御旨ではありませんでした。神様は落胆したはずのサムエルに、イスラエルの民があなたサムエルを捨てたのではなく、私神を捨てたのだと言われます。 神様は民に王を与えますが、王権国家の弊害までも教えます。王が立てられれば、王は民の上に君臨し、民を支配するようになります。民の財産と労働力と軍事力を搾取されます。民は王権国家を通した対外的な軍事力強化を考えていますが、その軍事力強化に動員されるのは自分自身であり、彼らの財産と家族と日常の平和は王の権力維持のために犠牲されます。後に民がそのために苦しみ、神様に助けを祈ってもその時に神様が答えないと警告します。 それでも、民は警告を無視し、王を求め続けます。民は神様より王を選びました。 彼らが神様を信じないからではありません。ただ、彼らはイスラエルに強力な王がいるこそイスラエルを守ることができ、イスラエルを守るこそ神様を守ることができると思ったわけです。結局、王が神様を守ってあげなければならない格好になります。神様に対する信仰がなくなると、人間は神様と自分の間に何かを作ろうとします。彼らが王を選んだので彼らは失敗と苦痛を通して学ばなければなりません。