Ⅰ列王記 黙想 【神様はアハブも助けられますか】 20240523(木) 枝川愛の教会 趙鏞吉 牧師
Ⅰ列王記 20:13~2520:13 ちょうどそのころ、一人の預言者がイスラエルの王アハブに近づいて言った。「主はこう言われる。『あなたは、この大いなる軍勢を見たか。見よ、わたしは今日、これをあなたの手に引き渡す。こうしてあなたは、わたしこそ主であることを知る。』」20:14 アハブが「それは、だれによってでしょうか」と尋ねると、その預言者は言った。「主はこう言われる。『諸州の首長に属する若い者たちによって。』」アハブが「だれが戦いを仕掛けるのでしょうか」と尋ねると、「あなたです」と答えた。20:15 彼が諸州の首長に属する若い者たちを調べてみると、二百三十二人いた。そのほか、すべての兵、すべてのイスラエル人を調べたところ、七千人いた。20:16 彼らは真昼ごろ出陣した。そのとき、ベン・ハダドは味方の三十二人の王と仮小屋で酒を飲んで酔っていた。20:17 諸州の首長に属する若い者たちが最初に出陣した。ベン・ハダドが人を遣わすと、彼は「人々がサマリアから出て来ています」との報告を受けた。20:18 彼は言った。「和平のために出て来ても生け捕りにし、戦うために出て来ても生け捕りにせよ。」20:19 町から出て来たのは、諸州の首長に属する若い者たちと、これに続く軍勢であった。20:20 彼らはそれぞれ相手に打ち勝ったので、アラム人は逃げ、イスラエル人は追った。アラムの王ベン・ハダドは馬に乗り、騎兵たちと一緒に逃れた。20:21 イスラエルの王も出陣し、馬と戦車を討ち、アラム人を討って大損害を与えた。20:22 その後、あの預言者がイスラエルの王に近寄って言った。「さあ、奮い立って、これからなすべきことをよく考えなさい。来年の今ごろ、アラムの王があなたを攻めに上って来るからです。」20:23 そのころ、アラムの王の家来たちは王に言った。「彼らの神々は山の神です。だから、彼らは私たちより強いのです。しかし、私たちが平地で彼らと戦うなら、きっと私たちのほうが彼らより強いでしょう。20:24 このようにしてください。王たちをそれぞれ、その地位から退かせ、王たちの代わりに総督を任命し、20:25 あなたは失っただけの軍勢と馬と戦車を補充してください。彼らと平地で戦うなら、きっと私たちのほうが彼らより強いでしょう。」王は彼らの言うことを聞き入れて、そのようにした。 アラムの王が大軍を率いてイスラエルを攻撃してきますが、神様はアハブに預言者を送って勝つ方法を教えてくださいます。奇襲別動隊を組織させ、ベン・ハダドを追い出します。客観的な軍勢では不可能なことですが、意外な結果です。神様の介入と啓示があったからであります。預言者の預言どおり、アラムのベン・ハダドはそのままあきらめず、翌年再び軍隊を集めて攻撃する準備をします。彼らはイスラエルの神は山の神なので、今回は平地で戦うという戦術で次の攻撃を準備します。たとえ邪悪な王ですが、神様が啓示しているアハブは、神様を知らない無知のベン・ハダドに勝つでしょう。神様はアハブを用いても勝ちますし、平地でも勝ちます。 アハブと彼の妻イセベルは、神様を迫害し、バアルを崇拝した歴史上最も邪悪な王でした。神様はそんなアハブに現れます。神様が預言者を通してアハブに勝つ戦略を与えながら言われたのは「こうしてあなたは、わたしこそ主であることを知る。13」でした。神様は自らご自身を示します。神様はご自身の栄光のためにすべてを用います。神様の対敵という言葉は、神様を反対する人の立場で言う言葉であって神様の立場からして、神様の対敵というものはありません。すべてが神様がお創りになった被造物であり、神様の統治のうちにあるのです。ただ、神様の啓示を記憶し、告白して従う人もいれば、状況が終了すると忘れてしまう人もいるだけです。 啓示は神様の固有の行為です。出エジプト記20章2節は「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、主である」という宣言で始まります。啓示は神様が自分自身を知らせることです。人によるものではなく、神様の意志です。啓示の手段は御言葉です。預言者が言葉を通して神様のことを示します。アハブという憎らしい人には鉄槌が下されなければならないですが、神様はアハブに機会を与えます。アハブが自分で打ち勝ったことでもなく、信仰の報いでもありません。ただ、その後にアハブがしなければならないことは、啓示された神様を自分の知識とし、神様を認め、従っていくことです。啓示は神様がなされますが、告白は人がするものであって、神様と人は交わりをもっていなければなりません。