Ⅰ列王記 22:13~2822:13 ミカヤを呼びに行った使者はミカヤに告げた。「いいですか。預言者たちは口をそろえて、王に対して良いことを述べています。どうか、あなたも彼らと同じように語り、良いことを述べてください。」22:14 ミカヤは答えた。「主は生きておられる。主が私に告げられることを、そのまま述べよう。」22:15 彼が王のもとに着くと、王は彼に言った。「ミカヤ、われわれはラモテ・ギルアデに戦いに行くべきか。それとも、やめるべきか。」彼は王に答えた。「あなたは攻め上って勝利を得なさい。主は王の手にこれを渡されます。」22:16 王は彼に言った。「私が何度おまえに誓わせたら、おまえは主の名によって真実だけを私に告げるようになるのか。」22:17 彼は答えた。「私は全イスラエルが山々に散らされているのを見た。まるで、羊飼いのいない羊の群れのように。そのとき主はこう言われた。『彼らには主人がいない。彼らをそれぞれ自分の家に無事に帰らせよ。』」22:18 イスラエルの王はヨシャファテに言った。「あなたに言ったではありませんか。彼は私について良いことは預言せず、悪いことばかりを預言すると22:19 ミカヤは言った。「それゆえ、主のことばを聞きなさい。私は主が御座に着き、天の万軍がその右左に立っているのを見ました。22:20 そして、主は言われました。『アハブを惑わして攻め上らせ、ラモテ・ギルアデで倒れさせるのはだれか。』すると、ある者はああしよう、別の者はこうしようと言いました。22:21 ひとりの霊が進み出て、主の前に立ち、『この私が彼を惑わします』と言うと、主は彼に『どのようにやるのか』とお尋ねになりました。22:22 彼は答えました。『私が出て行って、彼のすべての預言者の口で偽りを言う霊となります。』主は『きっとあなたは惑わすことができる。出て行って、そのとおりにせよ』と言われました。22:23 今ご覧のとおり、主はここにいるあなたのすべての預言者の口に、偽りを言う霊を授けられました。主はあなたに下るわざわいを告げられたのです。」22:24 ケナアナの子ゼデキヤが近寄って来て、ミカヤの頬を殴りつけて言った。「どのようにして、主の霊が私を離れ、おまえに語ったというのか。」22:25 ミカヤは答えた。「あなたが奥の間に入って身を隠すその日に、あなたは思い知ることになる。」22:26 イスラエルの王は言った。「ミカヤを捕らえよ。町の長アモンと王の子ヨアシュのもとに連れて行き、22:27 王がこう命じたと言え。『この男を獄屋に入れ、私が無事に帰るまで、わずかなパンと、わずかな水だけ与えておけ。』」22:28 ミカヤは言った。「もしも、あなたが無事に戻って来ることがあるなら、主は私によって語られなかったということです。」そして、「すべての民よ、聞きなさい」と言った。 ミカヤがアハブに向かう時、アハブが送った使者がミカヤにすべての預言者が言った通りに、アハブが望んでいる良い方向に言いなさいと要請します。もちろん時には慰めの言葉も、肯定の力も必要ですが、それが預言者が言うことではありません。歓迎される言葉であれ、排斥される言葉であれ、神様の御言葉を伝えることが預言者でなければなりません。それで、ミカヤは神様が自分にくださった言葉だけを伝えると断ります。 ミカヤはアハブに「主のことばを聞きなさい」と言い始めます。聞かなければアハブは死ぬでしょう。ミカヤが伝えた話によると、すべての預言者の口に偽りの霊が入っています。嘘が好きで従う人はいません。偽りを真実と知り、それを信念しして生きているだけです。ゼデキヤが出てきて、ミカヤの頬を殴りつけ、アハブはミカヤを獄に閉じ込めます。 Ⅰ列王記が終わりに近づいています。アハブは邪悪な王ですが、聖書で比重の高い王でもあります。神様は長い間アハブを耐え忍び、預言者を通じてお話しし、機会を与えてきました。しかし、アハブは聞かないことを治すことができず、滅亡の道に進みます。死ぬことがあっても神様の御言葉は聞かないという愚かな人間がいれば、死ぬことがあっても神様の御言葉を伝えなければならない孤独な人間もいます。神様と預言者は生かしたかったのですが、聞こうとしないので死にに行く人を止めることはできませんでした。