創世記 黙想30【ベテルの神】221003(月) 枝川愛の教会
創世記 31:1~1631:1 ところで、ヤコブはラバンの息子たちが、「ヤコブはわれわれの父の物をみな取った。父の物で、このすべての富をものにしたのだ」と言っているのを聞いた。31:2 ヤコブがラバンの態度を見ると、はたして、それは彼に対して以前のようではなかった。31:3 主はヤコブに言われた。「あなたが生まれた、あなたの父たちの国に帰りなさい。わたしは、あなたとともにいる。」31:4 ヤコブは人を送って、ラケルとレアを自分の群れのいる野に呼び寄せ、31:5 彼女たちに言った。「私は、あなたたちの父の態度が以前のようではないのに気づいている。しかし、私の父の神は私とともにおられる。31:6 あなたたちがよく知っているように、私はあなたたちの父に、力を尽くして仕えてきた。31:7 それなのに、あなたたちの父は私を欺き、私の報酬を何度も変えた。しかし神は、彼が私に害を加えることを許されなかった。31:8 彼が『ぶち毛のものはあなたの報酬になる』と言えば、群れのすべてがぶち毛のものを産んだ。また、『縞毛のものはあなたの報酬になる』と言えば、群れのすべてが縞毛のものを産んだ。31:9 こうして神は、あなたたちの父の家畜を取り上げて、私に下さったのだ。31:10 群れのやぎにさかりがついたとき、私が夢の中で目を上げて見ると、見よ、雌やぎと交尾している雄やぎは、縞毛、ぶち毛、斑毛ばかりであった。31:11 すると、神の使いが夢の中で私に『ヤコブよ』と言われた。私は『はい』と答えた。31:12 御使いは言われた。『目を上げて見よ。雌やぎと交尾している雄やぎはみな、縞毛、ぶち毛、斑毛である。ラバンがあなたにしてきたことはみな、わたしが見た。31:13 わたしは、あのベテルの神だ。あなたはそこで、石の柱に油注ぎをし、わたしに誓願を立てた。さあ立って、この土地を出て、あなたの生まれた国に帰りなさい。』」31:14 ラケルとレアは答えた。「私たちの父の家には、相続財産で私たちの取り分がまだあるでしょうか。31:15 私たちは父に、よそ者と見なされているのではないでしょうか。あの人は私たちを売り、しかもその代金を食いつぶしたのですから。31:16 神が私たちの父から取り上げた富は、すべて私たちのもの、また子どもたちのものです。さあ、神があなたにお告げになったことを、すべてなさってください。」 ヤコブがラバンにこれまでの報酬と独立をを求め、ラバンの同意の得て少数の劣等な羊とやぎをもらいます。神様はそのうえに働き、ヤコブは大きな財産を成しますが、ラバンは逆に財産が減ってしまいます。ということで、ラバンの息子たちはヤコブを盗賊扱いとし、ラバンもヤコブを憎み始めます。 ラバンは間違いなく自分の資産回復のために何事でもする人ですから、ヤコブは急いでラバンのもとから離れなければならないと判断します。ヤコブがラバンの娘である自分の妻たちを集め、この状況を説明すると、妻たちも自分の実家の父親の不条理に怒り、ヤコブの家族はラバンを離れることを決議します。 ヤコブはそれを説明しながら、自分の夢に現れた神様のメッセージを家族に伝えます。ラバンは、14年間ヤコブによって利益を出しましたが、ヤコブに相応しい報いは与えなかったこと、にもかからわずヤコブは誠実に働き、ラバンのビジネスを成長させたことを評価し、今やカナンに戻りなさいと言われたのです。それはヤコブの帰り道の安全を守ってくださるということでしょう。 神様はその根拠を提示されます。それが「ベテルの神」です。ベテルの神というのは、ヤコブが石の枕で祭壇とし、その上に油を注いで礼拝したその日の約束のことです。約束は相互に守らなければならないことです。その約束をして14年が経ちましたが、今、神様がヤコブの財産と家族の安全を守るとを約束されたということは、ヤコブが14年間、薄給にも約束した所得の十分の一をささげるといった約束を守ってきたということです。神様は人格な方であり、約束は互いに守らなければなりません。ヤコブは、所得の十分の一をささげたのが決して自分にマイナスではなかったということを確かに経験することになります。 この時代に生きるヤコブたちが急がなければならないことは、ラバンのように損害と利益の計算に縛られることではなく、ヤコブのところに入り、神様の御言葉と約束を結ぶ、それからそれを守り続け、神様がちっぽけな人生にあらわれたことを経験した証しをもって生きることです。