エステル 黙想4【アガグの子孫のハマン】220615(水) 枝川愛の教会
エステル 3:1~153:1 これらの出来事の後、クセルクセス王はアガグ人ハメダタの子ハマンを重んじ、彼を昇進させて、その席を彼とともにいる首長たちのだれよりも上に置いた。3:2 それで、王の門のところにいる王の家来たちはみな、ハマンに対して膝をかがめてひれ伏した。王が彼についてこのように命じたからである。しかし、モルデカイは膝もかがめず、ひれ伏そうともしなかった。3:3 王の門のところにいる王の家来たちは、モルデカイに「あなたはなぜ、王の命令に背くのか」と言った。3:4 彼らは毎日そう言ったが、モルデカイは耳を貸そうとしなかった。それで、モルデカイのしていることが続けられてよいものかどうかを確かめようと、これをハマンに告げた。モルデカイが、自分がユダヤ人であることを彼らに打ち明けていたからである。3:5 ハマンはモルデカイが自分に対して膝もかがめず、ひれ伏そうともしないのを見て、憤りに満たされた。3:6 しかし、ハマンはモルデカイ一人を手にかけるだけでは満足しなかった。モルデカイの民族のことが、ハマンに知らされていたのである。それでハマンは、クセルクセスの王国中のすべてのユダヤ人、すなわちモルデカイの民族を根絶やしにしようとした。3:7 クセルクセス王の第十二年の第一の月、すなわちニサンの月に、日と月を決めるためにハマンの前で、プル、すなわちくじが投げられた。くじは第十二の月、すなわちアダルの月に当たった。3:8 ハマンはクセルクセス王に言った。「王国のすべての州にいる諸民族の間に、散らされて離れ離れになっている一つの民族があります。彼らの法令はどの民族のものとも違っていて、王の法令を守っていません。彼らをそのままにさせておくことは、王のためになりません。3:9 王様。もしよろしければ、彼らを滅ぼすようにと書いてください。私はその仕事をする者たちに銀一万タラントを量って渡します。そうして、それを王の宝物庫に納めさせましょう。」3:10 王は自分の手から指輪を外して、アガグ人ハメダタの子で、ユダヤ人の敵であるハマンにそれを渡した。3:11 王はハマンに言った。「その銀はおまえに与えられるようにしよう。また、その民族もその銀でおまえの好きなようにするがよい。」3:12 そこで、第一の月の十三日に、王の書記官たちが召集され、ハマンが、王の太守、各州を治めている総督、各民族の首長たちに命じたことがすべて、各州にその文字で、各民族にはその言語で記された。それは、クセルクセスの名で書かれ、王の指輪で印が押された。3:13 書簡は急使によって王のすべての州へ送られた。それには、第十二の月、すなわちアダルの月の十三日の一日のうちに、若い者も年寄りも、子どもも女も、すべてのユダヤ人を根絶やしにし、殺害し、滅ぼし、彼らの家財をかすめ奪えとあった。3:14 各州に法令として発布される文書の写しが、この日の準備のために、すべての民族に公示された。3:15 急使は王の命令によって急いで出て行った。この法令はスサの城でも発布された。このとき、王とハマンは酒を酌み交わしていたが、スサの都は混乱に陥った。 ハマンという人がペルシャの二人者になります。本文はハマンをアガグ人であると紹介します。アマレク族です。サムエル15章で、サウルはアマレクを滅ぼし、サムエルはアマレクの王アガクを殺します。このようなアガクの子孫であるハマンが、ペルシャで権力を握ったわけであります。モルデカイがハマンにひれ伏すことをしなかった理由でハマンとモルデカイの間に葛藤が生じたのですが、ハマンが調べたところ、モルデカイは、ハマンの先祖たちの対敵であったユダヤ人であることを知り、しかもモルドカイはベニヤミン族だったので、サウルの子孫であることが分かりました。 ハマンはモルデカイだけを殺すのではなく、ユダヤ民族全体を虐殺し、抹殺する計画を立てます。ハマンは王にユダヤ民族が反ペルシア勢力であると濡れ衣を着せ、銀一万タラントを王にささげ、虐殺を進めます。銀一万タラントは巨額ですが、ユダヤ人を虐殺した後、彼らの財産を奪取するので回収できる投資金であります。占いをしてユダヤ人を殺す「吉日」を占めました。こうしてユダヤ人は民族的な虐殺の危機にさらされます。エステルは救いを語っており、救いは死の嘆きに落ちていることを前提とします。滅亡の危機を経験した人に救いの感激というのはさらに特別なことです。